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徒然と書くさ

米国在住の若輩者による備忘録、雑記です。   ※映画の備忘録記事はネタバレに注意

【映画】GO


在日コリアンである主人公とその周囲との話。

在日コリアンであることから日本人によって偏見をもたれ差別され・・・

主人公の自分は誰なんだという葛藤と、ある意味「在日」を乗り越えたようにも感じさせる彼の両親のゆるさ、元プロボクサーの親父の強さが印象的だった。

柴咲コウ演じる彼女に、自分が在日コリアンであることを告白するシーンでのネガティブな反応は意外だった。日本人でも彼女みたいに理解してくれる人がいるみたいな展開を予想してたから。まあ結果的には彼女も戻ってきて多少はハッピーエンドな感じだったけどね。 

 

 

さて、本作はミスチルの桜井やユーミンからも絶賛され評価が高いみたいだが、そこまでの映画ではないと思う。「在日」という重めなテーマを扱ってるからでしょ?と思わざるを得ない。

 

良かったところは、露骨な朝鮮アゲ・日本サゲをするプロパガンダ作品だろうと斜に構えていたがそんなことはなかったということ。日本と朝鮮、どちらかを特別に美化したり卑下しているとはそこまで感じられなかった。

窪塚の演技と主人公のキャラのおかげってのもあるが、観終わった時の感想は「重い」といった類のものではなく「スッキリ」とか「爽やか」に近かった。ん?と思う場面もいくつかあったが全体的に小綺麗にまとめてあると思う。

 

しかし、そこでふと思う。そもそも大前提がおかしくないかと。

在日コリアンが虐げられている核心には触れられていない。日本が排外主義的であるのは良くも悪くも事実だが、在日タイ人や台湾人、アメリカ人に在日コリアンと同じような苦悩があるだろうか。彼らに外国人として、マイノリティーとして、日本で生活していく上での困難はあるだろうが在日コリアンのそれとは違う。逆説的に考えれば、これは在日コリアン側にも要因があるということ。問題点を列挙すると枚挙に暇がないので一例をあげるとすれば、在日コリアンの犯罪率は在日外国人の中でも群を抜いて高い。

もちろん、この在日問題に歴史的・政治的背景があるのは十分理解しているつもりだからそう簡単に語れる話ではないとは思っている。決して在日コリアンに対する偏見や差別を正当化するつもりもない。

しかし、この点を度外視して「在日コリアンとして日本で苦悩している俺かわいそうでしょ」と一方的に訴えかけられても共感はなかなかできないというのが本音。背景を何も知らずに、在日コリアンは差別されててかわいそうだと短絡的に、感情的に捉えてしまう人だって少なからずいるだろう。 

 

原作のストーリーに従ったまでかもしれないが、日本に帰化するまでのアイデンティティーの葛藤、そして帰化した後、それでも元在日コリアン (朝鮮の血が流れている) ということで世間からの風当たりが強いという展開にした方がよっぽどこの問題の本質を浮き彫りにできたと思う。

 

 

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