徒然と書くさ

若輩者による映画備忘録と雑記 ※映画の備忘録記事はネタバレに注意

【映画】そして父になる

概要

第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品・上映され、約10分間のスタンディングオベーションが起こり、是枝監督や主演の福山雅治らは感極まって涙を流した。 改変元:Wikipedia

あらすじ

都会の高層マンションに住み、エリートサラリーマン・良多(福山雅治)を大黒柱とする野々宮家と、田舎で電気屋を営む斎木家。対照的な両家族だが、どちらにも6歳になる長男がいる。その両家の長男、野々宮家の慶多と斎木家の琉晴、実は看護師によって出生時に取り違えられていたことが発覚する。

 

カンヌで公式上映だとか、スピルバーグが惚れ込んでハリウッドでリメイクがだとか・・・こういう話題作はいつものごとく斜に構えて観るのだが、いやーーー見入ってしまった。

 

そして父になる」というタイトルと子供の取り違えというあらすじさえ知っていれば、ある程度の展開が読めちゃうよなと軽い気持ちでいたが、終始サスペンスフル。

 

対照的な金持ちと庶民、血筋を選ぶか親子と疑わずに過ごした6年という時間を選ぶか、という映画としては割とありきたりな設定にも関わらず、どこか引き込まれるものがあった。俺、子供もいないし結婚すらしてないのにね。

 

双方の家族の立場や気持ちが理解できた。俺みたいな一般家庭で生まれ育った人たちには共感されやすいのかもしれない。野々宮家(良多)が「箸の持ち方」や「手の擦り傷」に着目したように、斎木家側にも野々宮家側に対して明確に何かを思う場面が一つくらいあっても面白かったかなとは思う。「子育て論」という大雑把なもの以外でね。

 

福山に演技力があるとは個人的にはあまり思わないが、だからこそ本作では周りを固める実力派キャストの中で良い意味で浮いていて、今回演じた父親のキャラが合っていたこともあり高評価。息子を演じた子役2人はアドリブで演技していたとかで凄いなと思った。素直な子供の気持ちがうまく表現されていたと思ったのはこの演出のおかげか。大人になっても子供の頃の感受性を忘れてはいかんな。

 

明確な答えは出ていない「結末」だが、エンディングから察するに、これは多くの人が思っているように元の生活に戻り両家で交流を続けていく感じだろう。

俺だったらどうするかと感情移入して考えていたが、俺もこんな結末になりそう。もちろん相手の家族にもよるが。ただこの「オチ」にはちょっと思うところがあって、結局どっちにするかなんて選べない!だなんてちょっと都合が良すぎないかと思ったりもする。「映画」なだけに、こんな俺の妄想と同じ結末になるのがなんか癪なだけなんだけど、一度決断したからには、斎木家のように覚悟を決めてほしいなと。まあお互いの子供が幸せなのが一番だし、良多の決断も人間臭くていいんだけど。そもそもこんな境遇に立たされたら誰だって正解は導き出せないわな・・・

 

 

この映画の「原作」にあたるものはないが、沖縄で実際に起こった取り違えを参考にしている可能性が高いとのことなのでノンフィクション系のカテゴリーにもいれておく。

 

 

そして父になる【映画ノベライズ】 (宝島社文庫)

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