【映画】アンチポルノ
小説家兼アーティストとして 時代の寵児となった京子(冨手麻妙)。 極彩色の部屋に籠もり、 マネージャー典子(筒井真理子)が 伝えるスケジュールを分刻みでこなす毎日。 寝ても覚めても終わらない悪夢。 私は京子なのか?京子を演じているのか? 虚構と現実の狭間で、 京子の過去の秘密が暴かれていく―。
日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト、(俺にとっての)五作品目。
本作でプロジェクト作品全てを観終わったことになる。ふー。
感想
とにかく本作の世界観が俺にはダメだった。
意味不明、早く終わらないかなとしか思っていなかった。
ヘルタースケルターを観た時と同じような感覚。
過激さやアナーキーさで言えば本作の方が酷い。
園子温監督、男性でこの世界観を表現できるのはある意味すごいわ。
繰り返し強調されるセリフがいくつかあったし、さすがに「メッセージ」はある程度汲み取れたつもりだが、芸術性はまるでわからなかった。
園さんは詩人だから台詞が哲学的で、園さんの真骨頂ともいえるアーティスティックな作品になった気がします。
ー筒井真理子(京子のマネージャー・典子役)
https://entertainmentstation.jp/64839
詩的なセリフにしても、生理的に受け付けない。
というか、作品を通して生理的に受け付けられず、客観的に考える余地すらなかった感じ。
中盤で、「安保法案反対」という具体的な政治批判が出てきて萎えた。
もしかしたら、反対派を皮肉っているのかもしれないし、あるいは日常(ニュース)の一コマとして特に意味はなかったのかもしれないが、本作の内容からしてそれはないだろう。
映画という虚構の中でさらに虚構を描いていて、芸術性を意識した作品であるにも関わらず、唐突に具体的な政治批判を入れてくるその思想の強さと図々しさにはどこか気持ち悪さを覚えた。
別に園子温監督のことが嫌いなわけでもなければ、彼の作品が合わないわけでもない。
事実、「冷たい熱帯魚」は過去に ☆5評価にしている。
それだけに、俺の好みの問題もあるが本作にはちょっと残念。
最初は、監督が同じだから、ヒミズでの二階堂ふみと本作での冨手麻妙が、演出方法の影響で似通っているように感じただけだと思っていたが、彼女のWikiを読んで納得した。
彼女たちの私生活(趣味や性格)はどこか似ている。
女優としてはまだ駆け出したばかりの元AKB48研究生・冨手麻妙が、個人的にキャラが被っている二階堂ふみに追いつき、追い越すことができるのか見物だ。
てか冨手麻妙で「とみてあみ」とか読めんわ。
他のプロジェクト作品
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