映画メモ

映画備忘録 ※ネタバレに注意

【映画】悪人

 

あんた、大切な人はおるね?その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい。おらん人間が多すぎるよ。

今の世の中大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、なんでもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。

そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ。

 

完全に合ってるかはわからないが、本編中盤で柄本明演じる石橋佳男が語った時のこのセリフが結構響いた。

SNSは実は人間関係を希薄にしてしまっていると思う。 もちろんメリットがたくさんあるのもわかるが。

 

 

思ったことを箇条書き

 

  • 福岡・佐賀・長崎の登場人物がいたが九州の方言はやっぱいいね。違いはよくわからなかったが。笑
  • 妻夫木ですら、完全に色が抜けきってないあの金髪は似合わないという事実。
  • 深津絵里の哀愁漂う演技がよかった。そして、深津絵里はエロい。濡れ場のシーンとかじゃなくて全体を通してエロかった。
  • GT-R、安定のかっこよさ。
  • 田舎の風景がテーマと合っててよかった。
  • いくらなんでも、深津絵里は殺人犯の妻夫木に心許すの早すぎるし、心許しすぎだろ・・・

 

誰が本当の悪人で誰が善人なのか・・・こんな感じのテーマだと思われる。

衝動的とはいえ人を殺めてしまった妻夫木。しかし、俺は満島ひかり岡田将生演じる若者の方がよっぽどみていて腹が立つ。特に満島ひかりに関しては、レイプの冤罪を平気ででっち上げる。今考えてみると、妻夫木は彼女に対して特に悪いことはしていない。

レイプや痴漢の冤罪は男にとって勝ち目が薄い絶望的なもの。レイプや痴漢は言うまでもなく悪いことだが、冤罪をでっち上げるというのは法の精神やモラルということを考えると本当にタチが悪い。誰が悪人で誰か善人かなんて決められない。世間とマスコミはそれを決めないと気が済まないらしい。

ここまでイラッとさせる演技をしてくれた満島ひかり岡田将生を評価する。

というかこの映画の役者たちは全体的に皆いい演技をしていたと思う。実際日本アカデミー賞で妻夫木と深津が最優秀主演をW受賞している。

 

ただ、別に妻夫木や深津側を擁護する気はさらさらない。

日常が孤独だとかそんなものを感じている人はそこらじゅうにいる。

 

最後、妻夫木が深津の首を絞めて殺そうとする場面、「本当にただの悪人」だったのかどうかは解釈が分かれるところだが、俺は妻夫木が深津のためにあえて「悪人」を演じただけだと思っている。

 

 

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