映画メモ

映画備忘録 ※ネタバレに注意

【感想】荒ぶる魂たち

ヤクザ組織・横溝一家傘下の樋口組。組長の樋口と行動隊長の剣崎は、幼い頃からの兄弟分。その武闘派ぶりで他組織からも恐れられる存在だった。ある日、樋口組の組員が横溝一家と対立関係にあった白根組のチンピラを刺し殺す事件が発生。白根組は報復のためになんと横溝一家の総長・横溝孝則の暗殺を企て実行する。この事態に巨大組織、天成会の幹事長・海藤は横溝一家と白根組の手打ちの仲介を買って出る。しかし、海藤の本心は両組織の吸収にあった。それを知った剣崎は海藤を敵に回し、ひとり立ち向かっていくのだったが……。

 allcinema ONLINE

 

うーん・・・ヤクザ映画は嫌いじゃないけど、

本作に世間の評価ほどのものは感じなかった。

 

ビデオの無編集バーションだと前編・後編があって合計200分の長尺になるみたい。

俺が観たのは海外版 (150分) のDVDで内容がだいぶ削られてるから、ビデオの無編集版を観た人とは違う感想を持っているかもしれない。

 

 

良かった点と言えば剣崎を演じた主演の加藤雅也がかっこいいってこと。

こんだけ顔が濃いのにテルマエ・ロマエには出演してなかったよなーとか思いながら観てた。

 

全体を通して思ったのは、硬派なヤクザ映画路線なら渋さをちゃんと追求してほしいということ。

冒頭の女のシーン、唐突で拍子抜けな字幕 (出会ったのは火曜日でしたみたいなやつ)、濡れ場シーンでのスプリンクラーを使っての芸術的?な演出、そこそこのヤクザなのに髪の毛染めてたり洒落たパーマかけてたり・・・etc.

個人的にはこれらだけでもう好かない。ただのチンピラ映画なら全く問題ないけど。

 

もしこれらの演出や描写があったとしても、それを生かせていれば問題ないのだが、本作に関しては蛇足というか詰め込みすぎというか、ビシッと一つの方向性をみせてほしかった。

 

監督が三池崇史ということを考えればこれでもだいぶ落ち着いている方だが。

剣崎がかっこいい男の生き様を魅せてくれている分、余計にもったいない。

 

Thank you Fuck youと言う名言を残したあの剣崎の舎弟、この俳優はプライベートでもこういう感じなんだろうなって思いながら観てて、調べたら本当に当たってた笑

大地義行というこの役者、殺人・放火で無期懲役くらったらしい。まじのやつじゃん!っていう怖さもあるけど、人を見る目が自分にあったという事実がちょっと嬉しかったりもする。

彼の演技はうまかったと思うが、同時に素の狂気みたいなものをなぜか感じた。

  

古くて映像の質が悪かっただけかもしれないが、演者の声が全体的に聞き取りにくかった気がする。