【映画】博士の愛した数式
80分しか記憶がもたない数学博士とその家政婦。
ハートフルな映画。
主演の寺尾聡と家政婦役の深津絵里がハマっていたと思う。深津絵里はこういう自然な演技というか「良い女」を演じるのがうまい気がする。
数学と生活や人生を結びつけていくシーンも豊富で面白い。特に友愛数のところ。
ただ、このハートフルさが俺にとってはちょっと仇になったかな。
小説が原作だし、内容的にも映画化は難しい作品だと思う。それでも本作は演出や展開がうまかったと思う。退屈にはならなかった。ただ、こんなこと言ったらナンセンスかもしれないけど個人的にはもうちょっと明確な結論が欲しかった。最後のオチにしても、浅丘ルリ子演じる未亡人との関係にしても。
以下、気になってしまったところ。
家政婦の息子・ルートが成長して数学教師をやっているわけだが、しょっぱなの授業であんな話されても逆に退屈に感じるのが現実の中学生じゃないか?っていうのと、博士は80分で記憶がなくなるのに、博士のキャラが少し変わって家政婦やルートにだんだん心を開いていっているように思う。もちろん、「忘れてしまう」という切ない描写は何度もあったけど、最初に会った時とは明らかに空気が違うというか。これは周りが変わったからなのか・・・?俺には博士側にも変化があったと思うんだが、そうだとしたら新しく起きたことは数十分後には忘れてしまうはずなのにおかしいなと。
普通に良い映画だとは思う。