映画メモ

映画備忘録 ※ネタバレに注意

【映画】東京難民

 

東京と貧困を結びつける安易なお涙ちょうだい映画だと思って舐めてたけど良かった。

 

普通の大学生・時枝修(中村蒼)がどんどん堕ちていく様を描いている作品。

若いのにも関わらずこんなに簡単に転落してくもん?と感じた人もいるとは思うが、情に流されてしまうが為にとことん堕ちていく様は普通にリアルだったと思う。親に頼ることができないあの状況で、金のためには魂を売ることが出来ないとなれば修のようになってしまうのも頷ける。治験のバイト、ホストの裏側や土木の日雇い労働者、ティッシュ配り、ネットカフェ生活など凄くリアルに描写されていたと思う。(実際に経験しているわけではないが)

こんだけ貧困や貧困ビジネスの闇を詰め込んでいるのに、飽きもこずテンポが良かったと思う。

そして、修の人間性のおかげで鑑賞後には爽やかな満足感が残る。

 

成功者や「底辺」を見下している人からすればなんのこっちゃの作品かもしれないが、共感できる人には共感できる作品だろう。俺も(というか誰しも)いつ修みたいになるかわからないと背筋が凍る思いで見ていた。笑

社会のシステム云々のシーンもあったが、社会が悪いと一方的に批判しているわけではないと個人的には感じた。映画の中で不幸や貧困を社会のせいにするのは誰にだってできる。どちらかと言えばこの作品の主なメッセージは、落とし穴は身近なところにあって誰にでも起こりうるといったところだろう。ここが好印象だった。

 

ホストの修に貢ぐ看護師・茜を演じた大塚千弘のラブシーンがエロかった。

 

東京難民(DVD)

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