映画メモ

映画備忘録 ※ネタバレに注意

【映画】少年は残酷な弓を射る【We Need to Talk About Kevin】

あらすじ

自由を重んじ、それを満喫しながら生きてきた作家のエヴァティルダ・スウィントン)は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。それゆえに生まれてきた息子ケヴィン(エズラ・ミラー)との間にはどこか溝のようなものができてしまい、彼自身もエヴァに決して心を開こうとはしなかった。やがて、美少年へと成長したケヴィンだったが、不穏な言動を繰り返した果てに、エヴァの人生そのものを破壊してしまう恐ろしい事件を引き起こす。 シネマトゥデイ

解説

イギリスの女性作家に贈られる文学賞として著名なオレンジ賞に輝く、ライオネル・シュライバーの小説を映画化した家族ドラマ。息子がとある事件を起こしたことを機に、それまでの彼と自身の向き合い方を見つめ直し、悩み抜く母親の姿を静謐(せいひつ)かつ重厚に映し出す。『フィクサー』のティルダ・スウィントンが、苦悩する母親にふんするだけでなく、製作総指揮も担当。メガホンを取るのは『モーヴァン』で注目を集めた、リン・ラムジー。衝撃的展開と殺伐としたムードに圧倒されるだけでなく、親と子の関係についても深く考えさせられる。

シネマトゥデイ

 

日本でも海外でも結構評価が高い本作。最近観た映画の中で面白かったやつ教えてと友達(M.N.)に聞いたらオススメされたのがキッカケで本作を観ることに。

 

しかーし、俺には向いていない作品だったようだ。感情移入が全くできなかった。

 

息子を心から愛せない、もしくは上手く育ててあげられないことに苦悩する母親のエヴァティルダ・スウィントン)だが、彼女は別にネグレクトをしているわけではない。俺にはどこにでもいる母親に見えた。いくら自分の子供だとは言え、人間だからムカつくことはムカつくし、苦手なことは苦手だろう。エヴァのそれまでのキャリアや息子ケヴィン(エズラ・ミラー)のキャラクターを考えれば尚更当然。

エヴァ視点でストーリーが回想・構成されているわけだけど、そもそもエヴァにそこまで大きな問題があるとは思えない俺は、この作品の本質というかスタートラインに立つことができなかった。ケヴィンの異常さは完全に先天的なもので、エヴァ夫婦が親じゃなくても遅かれ早かれ問題を起こしたんだろうなあと。ひたすらケヴィンにイライラさせられてた。

子育ての難しさだとか親子愛だとか、哲学的な深さみたいなものは感じられなくて、ひたすらケヴィンの異常さをみせつけられた感じ・・・笑

 

正直、作業しながら観てたから集中できてなかったってのもあるけど、それでも、少なくとも目はちゃんと映像に向いていたはず。まあ飽きちゃったんだろうね俺。

なんていうか、こんな子供相手じゃ何が起きてもおかしくないよと思うし、そこに都合良くエヴァみたいなタイプの母親を当てはめましたっていう、最初からセットアップされてる感じが終始拭いきれなかった。俺にはこの前提が頭にあるから、本作の見所の一つである殺伐として重厚な空気感や描写が全て陳腐で退屈なものに感じられた。

まあ、上手くいっていないよくある親子の話ですってんならまだわかるんだけど、最終的に無差別に弓で人を射っていくあの様はうーん・・・

 

主演のティルダ・スウィントンエズラ・ミラーは印象に残る役者だよなあ。特に目。

 

あとこの邦題どうにかならんのかね。原題を翻訳するだけだと日本人にはわかりずらい作品なら邦題をアレンジするのはわかるけど、本作は必要ないよなあ?そこまで改悪とは思わないけど、出来れば原題を忠実に翻訳しただけの邦題にしてほしいわ。