夜の池袋を彷徨う3人のデリヘル嬢。それぞれの悩みを抱えながらも、男たちと体を交え、たくましく生きていく。
ポルノ映画と銘打った作品を観るのはいつぶりだろう。というか初めてかもしれない。
AVが溢れているこのご時世、下心からポルノ映画を観ることはまずないからね。(少なくとも俺は)
しかーーーし、下記の記事を目にしてこのプロジェクトに興味を持った。俺でも知っているような有名監督たちがポルノ映画を撮ったらどうなるんだろうと。
本作は俺にとっての第一弾。(順不同)
生誕45周年を迎える成人映画レーベル「日活ロマンポルノ」リブートプロジェクトの予告編が、このほど完成した。メガホンをとった塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫、行定勲による「よーい、スタート!」という威勢のいい掛け声とともに、約28年ぶりに発表された新作5本の本編映像が初披露されている。
そして、下心は一切無視して、実はこんな俺でもポルノ映画にはサブカルチャー的な側面での文化的・芸術的価値があると理解していたつもり。
それでもなんだかんだ後回しにしてきてしまっていた俺の興味ををさらに引きつけ、観る気にさせてくれたのが下記の説明。俺の理解は正しかったんだ・・・!
1971~88年に製作され、一定のルール内で撮影するという特質を有した同レーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る」「70~80分前後の上映時間」「全作品が同じ製作費」「撮影期間が1週間程度」という条件のもと、17年間に約1100作品が継続して公開された。条件を守れば比較的自由に作ることができたため、創意工夫に富む若手監督たちが新たな表現に挑み続けた結果、「最もセンセーショナルな作品レーベル」として国内外で高く評価されている。
感想
まず全体を通して言えば、ポルノ映画ということで結構身構えていたが、全然過激な描写がなくて素っ頓狂な俺。おっぱい出してセックスしてるだけ。
過激度だけで考えたら「普通の映画」として十分通用する気がする。年齢制限は必須だろうけど。
てっきり陰部もある程度は映るのかと思ってたよ。下品な会話を楽しむ3人の風俗嬢ですら、誰一人「ち◯こ」とは言わずに「アソコ」と言っていたのにも映倫の闇を感じた。あえて「アソコ」という言い回しにしていると考えるのはさすがに穿ち過ぎだろう。
ストーリーは良かった。
井端珠里演じる雅子が過去に関係があった女性を連想させることもあって、途中まではこういう題材特有の「メンヘラ感」が個人的にどうしてもいけ好かないと思っていたが、テンポが良かったおかげで飽きがこなかった。
また、日本が抱える複数の社会問題をうまい具合に散らしてあり、結果を残している監督だけあってさすがだなと思った。
ということで、一応「社会派映画」のカテゴリーにも入れておく。
エンディングはハッピーでもアンハッピーでもなく、3人のデリヘル嬢のハッキリとした未来は描かれていない。かといってモヤモヤさせられるようなわけでもなく絶妙な心地よさがあった。
個人的に関わりが深い池袋が舞台というのも感情移入しやすくて功を奏した。
どうでもいいけど池袋が舞台の作品って、なんだかんだ池袋ウエストゲートパークくらいしか観た覚えがない。
子持ちの母親デリヘル嬢と危ない関係に走るお笑い芸人を、本物のお笑い芸人「とろサーモン・村田」が演じていたのには評価が分かれるところだと思うが、個人的には彼の熱演は評価に値すると思うし、「お笑い芸人」ということが気になるほどではなかった。
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